『シェ・キノ』とフレンチを語る 第3弾
このページは江別『シェ・キノ』とフレンチを愛するファンの証言(?)をもとに、私=つちばくが記録していきます。
前回からまたしばし時を経過いたしました。『シェ・キノ』とフレンチを愛する皆様、お待たせいたしました! 第3回は江別在住稀有のアーティスト、ステンドグラス作家の石戸谷 準氏。石戸谷氏の作品は『シェ・キノ』の店内を飾るだけでなく、オリジナル・ナイフレストも手がけています。ステンドグラスと料理、繋がりそうで繋がらなさそうな2つの世界、さあ収拾はつくのでしょうか。。。
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「あ、これね、差し入れ。まずはちょっとつまんでくださいよ。」
タッパーウェアを抱えて登場した石戸谷氏、席に着くなりそれを開けてこちらに差し出す。中身は・・・?
「ひよこ豆です。これがクスクスには欠かせない豆なんですよ。温かいよ、今煮たばっかりだからね。そう、僕が煮たんですよ。」
石戸谷氏はステンドグラスを学ぶためフランスに留学していた経歴を持つ。パリは美食の街であり、人種のるつぼでもある。学食と言えども、世界中から集まった学生の舌を満足させる本格メニューが並ぶと言う。
石戸谷氏が学食で遭遇した美食(奇食?)の話は興味深い。とりわけ、とても食べ物とは思えない強烈な臭いを発するトリップ(牛の胃袋の煮込み)の真相・・・それはとてもここでは明かせないショッキングな話だった。
そんな食のミックスカルチャー体験の中で、すっかり”はまった”というのが、アラブ料理の「クスクス」。
これは、粒状のパスタにスパイシーなスープをかけて食べる料理で、”はまる”と日本のカレーライスのように「毎日食べても飽きない!」となるらしい。石戸谷氏が通った学食でも毎日このクスクスが出され、そには必ずこのひよこ豆が入っていたそうだ。
―ご自身も料理好きで、一時はレストランで働いていたこともあるそうですが、グルメの本場=フランスで感じたことは?
「フランス料理は加工・保存の技術なんですよね。日本って素材そのものの味を大切にするけど、フランスってやっぱり新鮮な食材が手に入りにくかったんだと思うんですよね。だから魚臭いのをいかに臭いを消して旨く食うかとか、そうやって新しい味を作ってきたと思うんですよ。」
―そういえば以前、日本で出されるクスクスは、見栄えを重視するばかりに素材に味がしみてないと苦言を呈されていましたね?
「そう、スープと具が別々に出てきちゃったりするとがっかりですね。味が実質的じゃないって言うか、融合してないんですよ。やっぱり中の野菜にスープがしみこんでないと・・・」
―ところで『シェ・キノ』のフレンチは、石戸谷さんのその美食の物差しで見てどうですか?
「お、いきなりだね。どうって言われても・・・」
キッチンで仕込みをしながら、こちらの会話に耳を傾けていた木下シェフもここで大笑い。
―あ、すみません。じゃ質問を変えて、『シェ・キノ』のメニューでお気に入りのものは?
「それはやっぱりキッシュですね。あれは感動したね。フランスでもキッシュは惣菜としてあちこちで売られていてよく食べたけど、『シェ・キノ』さんのキッシュは本場より旨いんじゃないかな。生地と中身のバランスというか一体化しているのが素晴らしいね。やっぱりシェフが手を加えると日常食のキッシュが、コースの1品に格上げされるよね。それこそキッシュを完全に独自のものにしてるって感じかな。」
―なるほど「江別キッシュ」の味は”実質的”ってことですね?他に『シェ・キノ』さんのここがお気に入りって言うのはありますか?
「あ、初めて食事に来た時に嬉しかったのは、タイミングよくお皿を出してくれるってところ。あれってやっぱりシェフはお客さん見てるんだね。」
「オープンキッチンですからね。テーブル毎にお客様の様子見ながら、こっちは早く、あっちはゆっくりとかって配分はしますよ。」

―木下シェフも会話に加わったところで、『シェ・キノ』ではフランス料理をコースで出すことにこだわってますが、その理由は?
「やっぱりただ食べるだけじゃなくて時間を楽しんでもらいたいんですよ。こちらもただ料理を出すっていう”作業”じゃなくて、料理が好きでおいしく食べて欲しいって気持ちで”仕事”したいしね。」
「僕がいたフランスの下宿はまかない付きだったんだけど、ちゃんとコースで出てきましたよ。フランスでは当たり前なんだよね。やっぱり歴史とか層が違うんですよ。」
―層ってことで言うと石戸谷さん、フランスのステンドグラス業界の層っていうのはどれくらいのものなんですか?
「それはもう規模が違う。ステンドグラスに携わる人も、教会なんかにデザインしたものを入れる絵付けステンドグラス作家と、一般住宅の需要に応じるステンドグラス取付師と別に居るんですよ。日本だとまず一般に大きくステンドグラスを使うことがないでしょ。価値が理解されていない。やっぱり歴史が違うんですよ。」
―そうですか。フランス料理屋でコース出されるより、手早く丼のほうがいいって言うオヤジさんが多いのと一緒ですね。。。あ、すみません。飛躍し過ぎました。でもお恥ずかしながら、このつち目もステンドグラスの本当の価値を理解していないんですが、何か啓蒙活動みたいなものは考えておいでですか?
「昔よく江別の役所なんかで講習会やりましたよ。今でももし要望があればどこへでも行ってやりますよ。あと、今考えてるのが、道内の本物のステンドグラスを鑑賞するツアー。ステンドグラスについて間違った認識をしている人が多くて残念なんだけど、是非本物に触れてそういう誤解を解いてもらいたいですね。」


―それは楽しみです!講習会も是非開催したいですね。最後にこれから『シェ・キノ』で食べたい料理はありますか?
「ガレットをいつか食べたいと思って機会を狙ってるんですよ。フランスでも結構食べたし自分でも何度か焼いたけどね。(あ、結構上手いよ!) 木下シェフの手にかかったらまたガレットも格が上がるんじゃないかと期待してますよ。」
―それは、それは!木下シェフと石戸谷さん、双方のクレーピエとしての腕前を拝見したいもの!もちろん、本場のシードルも用意して!
フランス料理とステンドグラス、全く別分野ながら、同じく異国の文化をこの日本、しかも江別(!)で自分なりに表現しているお二人。
かの美食家で知られるフランスの画家ロートレックは、人を招き手料理のフルコースを振舞った後、近所の友人宅に一同を連れて行って、そこにかかったドガの絵を指し、「これがデザートです。」と言ったとか。
なるほどフランスの食と芸術の層は厚いなぁ〜。しかし江別も負けてはいない!江別流フルコースの提案をこの二人に期待しよう!
前回からまたしばし時を経過いたしました。『シェ・キノ』とフレンチを愛する皆様、お待たせいたしました! 第3回は江別在住稀有のアーティスト、ステンドグラス作家の石戸谷 準氏。石戸谷氏の作品は『シェ・キノ』の店内を飾るだけでなく、オリジナル・ナイフレストも手がけています。ステンドグラスと料理、繋がりそうで繋がらなさそうな2つの世界、さあ収拾はつくのでしょうか。。。
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「あ、これね、差し入れ。まずはちょっとつまんでくださいよ。」
タッパーウェアを抱えて登場した石戸谷氏、席に着くなりそれを開けてこちらに差し出す。中身は・・・?
「ひよこ豆です。これがクスクスには欠かせない豆なんですよ。温かいよ、今煮たばっかりだからね。そう、僕が煮たんですよ。」
石戸谷氏はステンドグラスを学ぶためフランスに留学していた経歴を持つ。パリは美食の街であり、人種のるつぼでもある。学食と言えども、世界中から集まった学生の舌を満足させる本格メニューが並ぶと言う。
石戸谷氏が学食で遭遇した美食(奇食?)の話は興味深い。とりわけ、とても食べ物とは思えない強烈な臭いを発するトリップ(牛の胃袋の煮込み)の真相・・・それはとてもここでは明かせないショッキングな話だった。
そんな食のミックスカルチャー体験の中で、すっかり”はまった”というのが、アラブ料理の「クスクス」。
これは、粒状のパスタにスパイシーなスープをかけて食べる料理で、”はまる”と日本のカレーライスのように「毎日食べても飽きない!」となるらしい。石戸谷氏が通った学食でも毎日このクスクスが出され、そには必ずこのひよこ豆が入っていたそうだ。
―ご自身も料理好きで、一時はレストランで働いていたこともあるそうですが、グルメの本場=フランスで感じたことは?
「フランス料理は加工・保存の技術なんですよね。日本って素材そのものの味を大切にするけど、フランスってやっぱり新鮮な食材が手に入りにくかったんだと思うんですよね。だから魚臭いのをいかに臭いを消して旨く食うかとか、そうやって新しい味を作ってきたと思うんですよ。」
―そういえば以前、日本で出されるクスクスは、見栄えを重視するばかりに素材に味がしみてないと苦言を呈されていましたね?
「そう、スープと具が別々に出てきちゃったりするとがっかりですね。味が実質的じゃないって言うか、融合してないんですよ。やっぱり中の野菜にスープがしみこんでないと・・・」
―ところで『シェ・キノ』のフレンチは、石戸谷さんのその美食の物差しで見てどうですか?
「お、いきなりだね。どうって言われても・・・」
キッチンで仕込みをしながら、こちらの会話に耳を傾けていた木下シェフもここで大笑い。
―あ、すみません。じゃ質問を変えて、『シェ・キノ』のメニューでお気に入りのものは?
「それはやっぱりキッシュですね。あれは感動したね。フランスでもキッシュは惣菜としてあちこちで売られていてよく食べたけど、『シェ・キノ』さんのキッシュは本場より旨いんじゃないかな。生地と中身のバランスというか一体化しているのが素晴らしいね。やっぱりシェフが手を加えると日常食のキッシュが、コースの1品に格上げされるよね。それこそキッシュを完全に独自のものにしてるって感じかな。」
―なるほど「江別キッシュ」の味は”実質的”ってことですね?他に『シェ・キノ』さんのここがお気に入りって言うのはありますか?
「あ、初めて食事に来た時に嬉しかったのは、タイミングよくお皿を出してくれるってところ。あれってやっぱりシェフはお客さん見てるんだね。」
「オープンキッチンですからね。テーブル毎にお客様の様子見ながら、こっちは早く、あっちはゆっくりとかって配分はしますよ。」

―木下シェフも会話に加わったところで、『シェ・キノ』ではフランス料理をコースで出すことにこだわってますが、その理由は?
「やっぱりただ食べるだけじゃなくて時間を楽しんでもらいたいんですよ。こちらもただ料理を出すっていう”作業”じゃなくて、料理が好きでおいしく食べて欲しいって気持ちで”仕事”したいしね。」
「僕がいたフランスの下宿はまかない付きだったんだけど、ちゃんとコースで出てきましたよ。フランスでは当たり前なんだよね。やっぱり歴史とか層が違うんですよ。」
―層ってことで言うと石戸谷さん、フランスのステンドグラス業界の層っていうのはどれくらいのものなんですか?
「それはもう規模が違う。ステンドグラスに携わる人も、教会なんかにデザインしたものを入れる絵付けステンドグラス作家と、一般住宅の需要に応じるステンドグラス取付師と別に居るんですよ。日本だとまず一般に大きくステンドグラスを使うことがないでしょ。価値が理解されていない。やっぱり歴史が違うんですよ。」
―そうですか。フランス料理屋でコース出されるより、手早く丼のほうがいいって言うオヤジさんが多いのと一緒ですね。。。あ、すみません。飛躍し過ぎました。でもお恥ずかしながら、このつち目もステンドグラスの本当の価値を理解していないんですが、何か啓蒙活動みたいなものは考えておいでですか?
「昔よく江別の役所なんかで講習会やりましたよ。今でももし要望があればどこへでも行ってやりますよ。あと、今考えてるのが、道内の本物のステンドグラスを鑑賞するツアー。ステンドグラスについて間違った認識をしている人が多くて残念なんだけど、是非本物に触れてそういう誤解を解いてもらいたいですね。」
―それは楽しみです!講習会も是非開催したいですね。最後にこれから『シェ・キノ』で食べたい料理はありますか?
「ガレットをいつか食べたいと思って機会を狙ってるんですよ。フランスでも結構食べたし自分でも何度か焼いたけどね。(あ、結構上手いよ!) 木下シェフの手にかかったらまたガレットも格が上がるんじゃないかと期待してますよ。」
―それは、それは!木下シェフと石戸谷さん、双方のクレーピエとしての腕前を拝見したいもの!もちろん、本場のシードルも用意して!
フランス料理とステンドグラス、全く別分野ながら、同じく異国の文化をこの日本、しかも江別(!)で自分なりに表現しているお二人。
かの美食家で知られるフランスの画家ロートレックは、人を招き手料理のフルコースを振舞った後、近所の友人宅に一同を連れて行って、そこにかかったドガの絵を指し、「これがデザートです。」と言ったとか。
なるほどフランスの食と芸術の層は厚いなぁ〜。しかし江別も負けてはいない!江別流フルコースの提案をこの二人に期待しよう!

