Archive for March 2008

『江別キッシュ』物語

『キッシュ』ってなに?
                   


キッシュはフランス・ロレーヌ地方で16世紀頃誕生しました。
語源はドイツ語の『Kuchen』(クーヘン)。ロレーヌ地方がドイツの国境近くに位置していたためです。

伝統の「キッシュ・ロレーヌ」は、パイ生地に厚切り燻製ベーコンと、卵、生クリームだけが入ったものを言います。この3つはフランスのどの地域に行っても手に入れることができる基本の食材です。それがフランス各地に広がりながら、その地域の特産物を加えた「地方のキッシュ」を生み出して行きました。
江別フレンチ『シェ・キノ』の「江別キッシュ」2 江別フレンチ『シェ・キノ』の「江別キッシュ」



『江別キッシュ』とテロワール


 故郷の江別でフレンチレストランを開く際、やはり何か「江別らしいメニュー」を作りたいと思いました。そして誰にでも親しみやすくてシンプルで食べ飽きない、定番料理ということで「キッシュ」を思いついたのです。

もともと「キッシュ」は好きな料理でした。それに江別は乳製品や卵、季節の野菜が豊富です。これをパイ生地の中に詰め込んで1つに焼き上げたら・・・心は決まりました。

しかしフランスでよく食べられているようなキッシュを、日本人が毎日食べられるだろうか。自問自答しました。なぜなら一般的なキッシュは濃厚で重たいものが多いからです。

フランス各地でその土地のキッシュがあるように、日本の、北海道の、江別のキッシュがあってもいいのではないか。発想を転換させ、伝統キッシュのレシピを一から見直しました。

まだ『江別キッシュ』のイメージがまとまらないまま、キッシュを焼くタルト型を探していた時、通常の倍の高さ(厚み)の型を見つけました。これでキッシュを焼いたらどうだろう。とっさに思い購入しました。

厚みがあるということは、卵生地の中までまんべんなく火を通すのがむずかしくなります。でも厚みのあるケーキのようなキッシュのイメージが広がり、どうしてもこの型で焼いてみたくなりました。

そこでパイ生地を半焼きし、中身の卵生地を鍋で半熟状態まで火を通してから一緒に焼く方法を思いつきました。試行錯誤の末出来上がったキッシュは、豆腐のような茶碗蒸しのような、どこか和風で懐かしい味になりました。

おかげさまでオープン以来、この『江別キッシュ』を毎日作り続けています。

『江別キッシュ』を目的にお食事されていく方、またご自宅用、お祝いやパーティー用にテイクアウトされるお客様も増えてきました。少しずつ『江別キッシュ』がこの町になじんで来ているように感じます。

『江別キッシュ』が皆さんの、江別の懐かしい故郷の味(テロワール)になるよう、これからも毎日毎日作り続けていきます。
     ゆきむし フルフル江別フレンチ『シェ・キノ』の「江別キッシュ」3